視覚障害者の歩行訓練
七沢自立支援ホームの歩行訓練は、白杖を使用して街中を歩いたり、バスや電車などを利用して出かけられるようになることを目標にしています。訓練は、原則として施設の周辺や厚木市内で行い、基本的な技術の習得を目指します。
もちろん、訓練のまとめの段階では、個々の生活状況に応じ、必要な場所までや自宅周辺の歩行など、その人のニーズに合わせた訓練も行います。
従って、安全性の確保の面からも訓練はマンツーマンで対応しています。
訓練の流れ
- 誘導での歩行
- 屋外歩行(施設周辺歩行、住宅街歩行、市街地歩行)
- 交通機関の利用(バスの利用・電車の利用)
- 自宅内・自宅周辺・必要な場所までの歩行
訓練の内容
単独歩行(屋内において)
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安全な歩行の確保
白杖使用前
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身体の防御(上部・下部)
椅子、机、壁、柱等の障害物から身体を保護する練習をします。 -
伝い歩き
壁に沿って歩くことで方向や現在位置の判断が容易にできるように練習します。
白杖使用
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白杖の保持
椅子、机、壁、柱等の障害物から身体を保護できるように練習します。 -
階段昇降
階段の昇り(降り)始めと降り(昇り)終わりを、杖を用いて判断できるように練習します。
※白杖はその人の身長等で長さを決めて作ります。
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身体の防御(上部・下部)
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建物内の環境把握
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情報の利用(設置物、壁の材質、通路の形態等)
触覚的な情報としての壁の特徴や事物、床の変化等、また通行人の足音、ドアの開閉音等での現在地や歩く方向の判断をすることができるように練習します。 -
歩行地図
入り口から目的の部屋までの道順を描き、その中で方向や位置を判断できる情報(手掛かり)をまとめます。
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情報の利用(設置物、壁の材質、通路の形態等)
単独歩行(屋外において)
地域で暮らすための訓練 - 街の中を歩く・生活地域を歩く -
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安全な歩行の確保
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白杖使用技術
障害物から身体を保護したり、段差や路面の変化等を判断することができるように練習します。 -
ガイドライン歩行
縁石、段差、路面の材質の違い等に沿って歩くことで、方向が一定に保てるように練習します。白杖を使っての歩行
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白杖使用技術
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屋外の環境把握
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情報の利用
杖の情報
白杖を通し路面の変化、歩道の段差、道路上の設置物等から位置や方向の判断ができるように練習します。音の情報
自動車の音により、脇道、道路の方向、曲がり角、道路の広さ等から位置や歩く方向の判断ができるように練習します。また、通行人の歩く音や話し声等も積極的に利用します。さらに、その他の音(工場・商店の 音など)でも現在地の判断ができるように練習します。においの情報
におい(商店のにおい等)で現在地の判断ができるように練習します。 -
歩行地図
地図の把握
住宅街、市街地の道路形態を歩く範囲内で把握します。定位の手がかり
歩いている時、現在地の判断ができる情報(手掛かり)をまとめます。経路と手がかり
目的地までの歩行道順をつくり、現在地の判断、歩く方向を取ることができる情報(手掛かり)をまとめます。
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交通機関の利用
地域で暮らすための訓練 - バスや電車に乗る -
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バスの利用
乗降方法、車内移動を安全に行えるように練習します。 -
電車の利用
券売機で切符の購入、改札口の通過、電車乗降等をよりスムーズに安全に行えるように練習します。
その他
- 雨天時の歩行
- 夜間時の歩行
- 薄暮時の歩行
- 未知の場所での歩行(通行人への援助依頼など)