神奈川県総合リハビリテーションセンター

障害者支援施設 七沢自立支援ホーム

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利用者の体験談

「人生はローリングストーン」

小松 良太 40代

この体験談を書いて欲しいと言われた時、「俺でいいのか?もっと他に適任者がいるんじゃないか?」と思いました。職員から「小松さんがありのままの気持ちを表現すれば、見えない、見えづらいことで戸惑いながら地域で暮らしている方々の心にきっと響くはずです」と言われ書くことを決めました。
私は、2016年3月から2017年2月まで七沢自立支援ホームに入所しました。2015年2月、心筋梗塞により自宅で倒れて緊急搬送され、そのまま入院しました。糖尿病網膜症の診断を受け、視力は右眼光覚、左眼0.01です。
 元々明るい性格でしたが、受障後はさすがの私でも落ち込みました。見えていた時にやっていた趣味はほとんどできなくなりました。唯一の救いは大好きなヘビーメタルの音楽を聴くことでした。目は見えにくいけど音楽は聴くことができました。
見えにくくなってしまってこの先どうやって生きていけばよいのかを自分だけで考えることができませんでした。役所のケースワーカーや点字図書館に相談をしたところ、七沢自立支援ホームを紹介され、何がどうなるのか明確にはわからないまま、藁にもすがりたい気持ちで入所を決めました。
 入所前は、「こんな小さい点(点字)なんて読めんのか!」「目が見えなくてどうやってPCなんて使うんだよ!」「見えないのに白杖なんか使ってひとりで歩けんのかよ!」とつっこみを入れたい気持ちばかりでした。知人には視覚障害者が全くいませんでしたので、1年間も入所して他の利用者とうまくやっていけるのかさえ心配でした。
 しかし、全ての不安は希望に変わりました。訓練を受けることで、点字は遅いなりにも読めるようになり、PCやスマートフォンも使えるようになりました。スマートフォンでメールやLineができるようになったことで、昔の友人と連絡が取れるようになりました。ヘビーメタルの音楽で繋がった多くの仲間から励ましの言葉が届くことは大きな支えになりました。白杖でのひとり歩きは今でも不安は残りますが、ライブにも行くことができるようになりました。訓練で自分のできることが増えると、次第に自信がついてきて、元の明るさを取り戻すことができるようになった気がします。入所や通所の仲間たちとの交流も自分を前向きにしてくれました。「何とか生きていける」とそう思えるようになりました。
 入所前は退所後の生活や目標は漠然としていました。入所中に職員と何度も話し合いアドバイスをもらうことで、マッサージ等の国家資格の取得を目指して養成施設に入所することを決心しました。
 入所中は戸惑いもありましたが、やりがいもありました。七沢自立支援ホームでの入所生活は失った自分を取り戻すために大切な1年間でした。
 見えない、見えにくいことで葛藤をしながら地域で暮らしている方々にこの体験談が届いたのなら、是非七沢自立支援ホームの門をたたいて欲しいと思います。
 Keep on Rockin!

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